オレインド2014

1/12(日)サーミと呼ばれる日本人

夜行電車は遅れてAm2:00すぎにチダンバラムに到着。
チダンバラムでは、タミルに住んでもう7年目、チダンバラムの音楽学校に通いながら、師匠についてタヴィルを学んでいる石井秀典くんが駅のホームに迎えに来てくれた。
ヒデくん、タミル語ペラペラ!
そして黒いドーティーを巻いて、数珠のネックレス…
そう、彼もアイヤッパン詣でにサベリマライに行く人!
その準備として
・靴やサンダルなどはきものを履いてはいけない。
・髪や髭を切ったり、櫛を入れてはいけない。
・ベッドや布団で寝てはいけない。
・肉食、飲酒をしてはいけない。
・他人の使った食器を使ってはいけない。
・死体などに近づいてはいけない。
・朝、夕のお祈り、沐浴をしなければならない。
・ご飯を食べる前にも沐浴
などなど、いろんな決まりごとがあるらしい。
 
そんなアイヤッパン詣りをする人達の事を、人々は尊敬を込めて「サーミ」と呼ぶ。
 
ヒデくんは、何かあだ名みたいにみんなから「サーミ」と呼ばれてた。


そんなサーミのバイクに3人乗りして深夜のチダンバラムの田舎道を走っていく。
 
星が綺麗だ。
やっぱり都会に比べて、田舎は断然きれいだなあ。
 
 

 
ヒデくんの部屋について、何やかんや喋ったりなんだりしてから就寝。
 
明日、というか今日だけど、朝早くからヒデくんの先生が結婚式で演奏するのに同行させてもらえる!
 
しかも、何やらすごいタヴィルプレイヤーと一緒らしい。
こりゃ楽しみだな。
そして、また今夜も寝不足だ。
 
 
 
ちょっと寝て、朝6:00に起床!!
 
 

サーミのお祈りを見て、バイクでバブ先生の家へ。
 

先生の家に着くと、ヒデくんはピシーっとしてる。先生というか、師匠だから、粗相のないよう礼儀正しくしないといけない。
弟子でない僕らは、椅子に座るよう言われて、ちゃっかり座ってた。
 
ヒデくんの弟弟子のマヘンドラも来て、みんなで先生の準備を待ち、先生の車で結婚式の会場へ。
この時期は結婚式シーズンではないのでちょっと珍しい。

 
会場に着くと、でっかい建物!ゲートも立派に作ってあるし、楽団がいたり子供が遊ぶ場所も用意してあってすごく盛大。こりゃあよっぽどの名士の結婚式なのかな?

 
結婚式場の入り口で盛り上げるマーチングバンドのみなさん。
 
 
 

 
華やかー!
 
 
 
 
 

 
新郎新婦と記念撮影する列。
 
ヒデくんたちがステージの準備をしている間、いろんなところをのぞいてみた。
これだけの結婚式だから、食事の準備もまた盛大!
 
野外で大量調理!この人たちは専門のケイタリング業者で調理器具を全部持参して結婚式などのイベントで大量の料理を作るプロ!!

 
パランターの中身を作ってる
 
 
 

 
そして生地に包んで
 
 
 

 
焼きますイエーイ!!
 

焼きあがったパランターをカット
 
 
 
 

 
 

カラフルなウッタッパンをたくさん焼いてる!
 

オレンジ色もあるよ!
 

こっちは白いウッタッパン
 

偉大な料理人たち!マサラワーラーの憧れです。
みんな明るくて優しいナイスガイ!!
 

こっちも見ろよー!
 

どうだ〜!!!大量のイドゥリがバーン!!!
 

ワダ揚げてるよー!
 

どバーン!!!
 

これは何かな〜?
 
 
 
 

 
タコ焼みたいに焼いているのはパニヤラム!ウッタッパンやドーサと同じ生地をたこ焼き器で焼いたもの。
 

ウッタッパン焼きまくりのお母さんたち
 

こっちではアーッパムを焼いています。
 

どんどんできる。
 

電動石臼でチャトニの仕込み
 

テンパリングのためのスパイス
 

ココナッツ削りマシーン
 

カーラチューブというスナック。これを揚げるとカラムーチョみたいなスナックになる。
 

ラッサム!
 

つまみ食い!
 

ういろうみたいなスイーツ、アルワーがいっぱい。
 
調理場では明るい料理人たちが「こっちも見てみろ!」「ここ写真撮らなきゃ!」「イエーイ!俺を撮れ!」と大歓迎してくれて、全部見せてくれた。
屋外に鉄板台や机を置いて、大勢で料理をしている。
パランターのタネを丸める人、生地に入れる人、伸ばす人、焼く人、イドゥリ蒸す人、ドーサを焼いたりウッタッパン焼いたり、それぞれの持ち場で大量の料理を作っている。
さらに、屋内の調理場ではワダを揚げたり豆を煮たりココナッツ削ったりパニヤラムやアーッパム焼いたりと、みんなフル回転で働いている。
でも、ハードワークにもかかわらず、みんな笑顔で何だか楽しそう。
 
調理場の隣では広い食堂があって、長机が何列も並んでいる。
その上にテーブルクロス代わりの紙が敷いてあり、そこにバナナの葉っぱを並べて準備している。
演奏のセッティングができてヒデくん、マヘンドラ、バブ先生が降りてきた。だんだん人も増えてきて、結婚式場での朝ごはんがスタート!!
 

 
 

 

 

 

 

 

これ、朝ごはん!いろんな種類のティファンが勢ぞろい。
どれもこれも、最高に美味しい!
 
お腹いっぱいになって2Fの式場に行くと、席が半分くらい埋まっていて、続々とお客さんが増えていく。

 
奥の大きいメインステージで結婚式をやっているが、その反対側、入り口の近くの小さいステージでバブ先生はじめ、ナーダスワラム(大きいラッパ)&タヴィル(バチと指で叩く両面太鼓)の演奏が始まる。

 

ヒデくんの先生。タヴィルのT.G.バブ先生
 

ヒデくん曰く「No.1タヴィルプレイヤー」のマンナグディ.M.R.ヴァースデーヴァン
 

ナーダスワラムのマハブーブ一家!
 
こんな激しい演奏です!

 
ステージに体を向けて演奏を聴いていると、結婚式は真後ろになった。結婚式なのに新郎新婦に背を向けているという、変わった状態になった。
やがてお客さんが席に座れないくらいになったので、予備の椅子を運ぶのを手伝った。そりゃー、ただで飯食ってますから!働くよー!
 

 

 

演奏は結婚式が終わるまでぶっ通しで3時間半!
でっかいスピーカーの真ん前で爆音の超絶破壊力抜群演奏で、ちょっとトリップ。
さらに寝不足もあって、何度か意識が遠のいていった…
 
無限に続くと思ったライブも終了し、今度はお昼ご飯!
だいぶ帰ったお客さんもまた戻ってきた。
それにしても、こんなに激しい演奏と派手な結婚式だけど、午前中に全部やってるんだなあ。
 


 
昼のミールスもまた、すんばらしくうまかった!!
結婚式が終わって先生の車でバス停まで。
先生は用事があるようで、僕らはバスで帰ることにした。
 
もう、明後日にはポンガルが始まるので、街には飾る付けのサトウキビやターメリック、ポンガルを煮るツボやかまど、コーラムを描く色粉なんかがたくさん売っている。
(ポンガルはこんなお祭りです→ポンガルまとめ
 

サトウキビ。日本のお正月の「門松」みたいに飾ります。
 

生ターメリック。ポンガルの時に、ポンガルを煮るツボにくくりつける。
 
3メートルくらいのサトウキビの束をオートやバイク、自転車なんかで運んでる人もたくさんいた。
お正月前の感じ。
 
秀典ハウスに戻って昼寝。
夕方に起きて先生の家へ
 
バブ先生の家の2Fにはタヴィルの練習場所と弟子の寝室があった。

マヘンドラとナレンドラ!
 
マヘンドラも黒いドーティで、ヒデくんとサベリマライ巡礼に行くらしい。
もう1人、ナレンドラという最近来たばかりの子もいた。彼は隣のアーンドラプラデーシュから来たばかりなので、タミル語がまだあまりしゃべれない。
 

タヴィルの練習
 

みんなのタヴィル!
 

 
その後、夕食へ。
先生は家で食べるので挨拶してまたバイクで3人乗り。
 
今日のディナーは「人ん家レストラン」
 
普通の団地みたいなとこに入ってドアを開けると、そこのお父ちゃんが寝っ転がってる。
 
お母ちゃんが料理してるのかな?もう、本当に普通の店!看板もない。
床に座って待っていると、お皿に料理を盛ってくれる。

もう、普通の家の台所。
 

こんな感じでサーブしてくれる。アットホーム!超アットホーム!
 

フッカフカの絶品イドゥリ
 
ここのイドゥリがまた、素晴らしくうまい〜!!サーンバール、ワッタコロンブ、ポリヤル、クートゥ、チャパーティー、全部うまい。
 

 

 
「どんどん食べてねー」と言われるままお腹いっぱい食べた。
料金がどうなるかと思ったら、食べた後に何個食べたか自己申告するシステム。
「よく覚えてないけどイドゥリ8コくらいとチャパーティー1枚かな」と答えた。
いくらだったか忘れたけど、安かったー!
みんなで床に座ってご飯食べて、まるで家族団らんみたいで面白かったなー。
 
食べた後、マヘンドラ、ナレンドラと別れてチダンバラムで一番有名な、ナタラージャ寺院に参拝

ナタラージャ寺院は踊りの神様、シヴァのお寺
 

 

ゴープラムの下にはバラタナティヤムのポーズやステップの彫刻がしてある
 

 

 

ナタラージャ寺院は広い!踊りの神様をまつっているから広いのかなー
バラタナティヤムの彫刻がたくさんあった、ここではダンスフェスティバルもあるらしい。(*この時は、翌年にそのダンスフェスティバルを見に行くとは思っていなかったのだった…)
寺の奥の方に行くと、ちょうど夜の礼拝で、神様が部屋に戻って寝るところ。
みんながお祈りをしていた。
大きな鐘をジャランジャランならして、おやすみなさい!
神様、寝る前にずいぶん大きい音を聞くんだなあ。